名探偵コナンのアニオリ回でおなじみの脚本家・扇澤延男さん。
1956年北海道生まれ・1987年から脚本家として活動。
「さむらい探偵事件簿」、メタルヒーローシリーズなど多数の特撮ヒーロー作品やテレビドラマ作品の脚本を手掛けています。コナンでは2000年放送の175話「四回殺された男」から現在まで50本以上を担当！
“” “” “” “”]人間の悪意を描いたブラックな回やサスペンス・ギャグまで非常に幅広い作風を持つ扇澤さんの初小説『寄ってたかって』を紹介します！
あらすじ
殺人事件が発生した。犯人の見当はつくが、逮捕するにはその口から「真犯人にしか知り得ない事実」を引き出すしかない。難攻不落の容疑者に対し捜査主任はとんでもない策に打って出る。自分たち警察が行なえば違法となる或る企てを、民間人たるアイツらに外部発注したのだ。
託された企てとは？ そしてアイツらとは一体何者なのか？
きみは、この恐ろしく乱暴な仕掛け(ワナ)を見破れるか！（#1：わたしこそが、主役だった・あらすじ）――新波出版HPより引用
感想
悪意ある人間が起こした凶悪な殺人事件。あるいはこれから起こるかもしれない事件。
犯人が誰かは分かっているが、証拠がなく逮捕できない。
こうなったら自白させるしかない！そんな時に活躍するのは、「推理しない探偵社」…！？
アニオリ視聴者には馴染み深い「扇澤節」が炸裂する、ミステリー？小説でした。
五人の役者からなる劇団が、ある依頼をきっかけに副業として始めた探偵社。一人の犯人をハメて真実を暴くために、めちゃくちゃな人物設定でアドリブ勝負！
読者側は劇団の存在を途中から知っているうえに打ち合わせシーンもあるので、騙されているのは唯一ターゲットである容疑者という斬新な設定で進んでいく、全3話からなる物語です。
メンバーは見た目も年齢もバラバラな浦沢・志位・悲子・秀麿・福の五人。
話によって名前や格好を変えて一芝居打っていきます。
自由気ままそうな五人ですが、元警察官だったり意外な過去があったり…？
『解決実績多数。絶対秘密厳守。
どのようなご依頼にも誠心誠意お応えします。
高い信頼性、低い料金、
真実の友 探偵社』
扇澤 延男. 寄ってたかって (新波出版ショートストーリー) (Kindle の位置No.537-539)
「#1：わたしこそが、主役だった」
夫の重四郎を殺害した女性・千加の話。彼女が犯人だと警察は睨むが、証拠品が見つからずアリバイもあり困っていた。後日、千加は街で変な女に集いの会に誘われる。開かれていたのは「犯罪被害者の会」。そこにいたのは妙な因果で繋がれた五人の人物で…？
探偵社発足となる最初の事件。アドリブだらけの暴走劇！「因果」「偶然」「回路」「不条理」など、扇澤さんのアニオリ脚本回でもよく出てくる単語が勢いよく飛び交う、カオスな会話が楽しいお話でした。
「#2：わたしは一体誰でせう」
大切な色紙を盗まれた男性・永倉からの依頼。犯人は妻の姪・春歌だと分かっているが、彼女は記憶喪失で永倉のことなど知らないととぼけていた。探偵社は永倉のために新たな設定・シナリオのもとに動く…というお話。
依頼主の色紙を取り戻すため、「奇妙な家族たち」という設定で犯人の元へ押し掛ける探偵社の五人。またも強引な設定で会話劇が繰り広げられますが、メンバーのちょっと意外な過去など複雑な人間模様も描かれます。
「#3：無駄なく神様は戯れる」
息子が誘拐されるのを防いでほしいという竹岡からの依頼。「明日、一年後あるいは五年後に誘拐する」という不気味な予告状は本物なのか？探偵社は津村に罠を仕掛け、ありえない偶然だらけの悲劇を見せつけることに――
まだ起きていない事件を未然に防ぐために動く探偵社。最後の話はちょっと意外な展開に。調子のよかった五人が迎えたエンディングは、まさに因縁を弄ぶ神様の戯れ？
“” “” “” “”]「寄ってたかって」は電子書籍のみの作品で、現在Kindle Unlimited（キンドルアンリミテッド）会員の読み放題対象作品です。一か月の無料体験期間あり＆月額980円。
初小説だと思えないほど読みやすく面白いので、扇澤さんの脚本が好きな方は是非読んでみてください！
【著者名】扇澤延男
【配信日】2018年12月23日
【価格】500円（※Kindle Unlimited 会員は無料）
https://dc.misosio.com/book-miyashita/
https://dc.misosio.com/kyakuhon/
